株式の比率を高める「攻め」の運用を始めてもうすぐ3年。株価変動による振れが課題に。リスク分散からも「国債投資は必要」としつつ、環境対応などで優れた企業への投資も始めた。公的年金を守るため、ガバナンス改革やAIの研究も進める。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=竹井 俊晴)
PROFILE
[たかはし・のりひろ]1980年、東京大学法学部卒業。同年4月、農林中央金庫入庫。企画畑を歩んだ後、2005年6月、債券投資部長、06年6月、開発投資部長に。「世界の機関投資家・ノーチュー」と呼ばれた時代に運用を担った。07年6月、常務理事。専務理事を経て、15年6月、JA三井リースの社長に。16年4月から現職。

株式比率を高めても配当・利息の積み重ねが基本。
ESG投資で高評価企業が増えれば産業は効率化する。

 問 農林中央金庫で債券投資部長などを務め、運用に詳しい人材として昨年4月、GPIFの理事長に就任しました。

 答 ちょうどその頃は『どうもGPIFの運用成績が相当悪いらしい』という話だけが先行している時でした。そこでまず、とにかく説明責任を果たしていこうと。もう一つ、私のような民間で投資をしていた者がトップをやるのであれば、GPIFという組織をなるべく優れた投資会社のような文化なり、意思決定スタイルなりにしていきたいと考えました。

 問 GPIFは2014年10月から株式への投資比率を高める方針に転換しました。17年4~6月期の運用実績は約5兆1000億円のプラスとなり好調です。しかし、ここ2年余りは株価が低迷するとすぐに運用が悪化するなど、振れの大きさも見られます。