地銀再編から世界的なデータ独占への対応まで扱うテーマは幅広い。グローバル化とデジタル化で激変する経済に対応するため、公取も変革が必要だと話す。新時代の競争政策とは何か。規制・成長の両立という狭き道に挑む。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=竹井 俊晴)
PROFILE
[すぎもと・かずゆき]1950年生まれ。74年東京大学法学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。官房長、主計局長、財務次官を歴任。退官後はみずほ総合研究所理事長などを経て、2013年3月から現職。18年3月に再任された。財務省時代は社会保障制度改革に尽力し、ハードな交渉力と言動に周囲は「カミソリ」「心臓に毛が生えている」と評した。兵庫県出身。

このままいくと日本企業は全部、下請け企業になる。
イノベーション促進と環境整備が我々の役割。

 問 企業のデータの収集や活用について、注視する姿勢を打ち出しています。公正取引委員会がなぜデータに目をつけているのでしょうか。

 答 たとえば米国の『GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムの頭文字を取った略称)』と呼ばれるIT(情報技術)の巨大企業は、世界の時価総額上位を占めています。ここまで大きくなった背景には、集めた大量のデータを活用したビジネスモデルが間違いなくあるわけです。

 データという存在が新しいビジネスモデルやサービスを作り出すために大きな役割を果たし、経済の発展につながる。これは確かだと思います。ただその前提として、データを集めたり使ったりする行為が自由で公正な環境のもとで行われなければいけません。