春季労使交渉、労働時間規制、働き方改革、裁量労働制──。すべての人の働き方に大きな影響を及ぼす労働界のトップに注目が集まる。中小、非正規の底上げの重要性を説く。
(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

「賃金は上がる」という常識を取り戻す。
裁量労働制、高プロは一貫して反対。

問 今年の春季労使交渉(春闘)でトヨタ自動車労働組合がベースアップ(ベア)の金額を明らかにしなかったことには驚きました。これまでの運動論では、大手がみんなを引っ張ってきたわけですよね。
答 交渉当事者は相当大変だったと思います。(トヨタ自動車の豊田章男)社長の言うことは分からないでもないが、労働界の人たちに示しがつかない。今でもじくじたる思いがあるでしょう。何度も繰り返せるわけじゃないと思っています。賃金データをしっかり持たないと継続性がなくなりますから、最後まで分かりませんでは済まされません。
ただ、依然として世の中がトヨタを見ている中で一石を投じた意味はあったと思います。大手準拠、大手追随からの脱却ということを僕らも声高に言っています。去年は3割程度の関連会社がトヨタ本体を上回りました。今年もその傾向はむしろ拡大しています。
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