2016年12月、東芝の医療機器子会社の買収が完了。悲願だったカメラと事務機以外の新たな事業が育ち始めた。82歳の名経営者がガバナンスの極意を語る。
(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

社長がくるくる代わるのは日本の悪弊。
人は育つものであって、育てるものじゃない。
問 カメラと事務機が中心だった事業構造がだいぶ変わってきていますね。
答 私が社長になった1995年はアナログ時代でしたが、カメラもプリンターもかなり成熟産業というか、(市場が)サチュレート(飽和)していたんです。そこにデジタル革命が到来し、買い替え需要が広がった。これ、大ブームだったわけですよ。地球上のカメラがアナログからデジタルに代わるわけですから。うちはそれに乗っかって、8期連続の増収増益を果たしました。
でも、私はそのときからこれは必ず終焉が来ると思っていたんです。だって、買い替え需要ですから。買い替えが終わったら終わる。だからピークのときに衰退の予兆を感じ取れ、そういうセンシティビティーを持て、と自分に言い聞かせていたんです。もっと成長力のある産業へ事業を転換しなければならないと、ずっと考えていました。
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