1月27日に株式交換によりミネベアとミツミ電機が経営統合し、ミネベアミツミになった。業績予想を上方修正するなど、早くも統合効果が出始めている。今後もM&Aも駆使した成長を目指す。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=竹井 俊晴)
PROFILE
[かいぬま・よしひさ]1956年生まれ。78年、慶応義塾大学法学部卒。83年弁護士登録。弁護士業務を行っていたが、元会長の髙橋高見氏が貝沼氏の義父であったつながりから88年ミネベア(現ミネベアミツミ)に取締役法務担当として入社。2009年からミネベア代表取締役社長を務める。髙橋元会長と同様に多くのM&Aを手掛ける。ミツミ電機との経営統合により、17年1月27日から現職。

企業同士の合併で「対等の精神」なんてない。
あるのは、優秀な人材を対等に登用すること。

 問 1月27日にミネベアとミツミ電機が統合し、ミネベアミツミとしてスタートしました。どのように手応えを感じていますか。

 答 両社とも部品会社なので、似たようなカルチャーは持っていたと思います。とはいえ、互いに創業から六十数年の歴史がありますので、様々なところが違いました。今回はその違いをうまく乗り越えて、結果的には、すごくうまくいっていると実感しています。

 早速、統合の成果も出始めています。1月の統合までにミツミ電機の1人当たりの生産性がかなり高まったことで、今期は営業利益ベースで数十億円程度の押し上げ効果がありそうです。

初めての訪問で成功を確信

 問 統合がうまく進んだ要因は。

 答 統合前にミツミ電機の経営幹部と非常に濃密な時間を過ごすことができました。その中で私たちの物づくりの考え方だとか、方法などを話して納得してもらえたことだと思います。今は企業の文化の差というのをほとんど感じていません。

 ミツミ電機のポテンシャルを引き出すため、統合前に、我々がいろいろな業務支援をしたのも大きいと感じています。ミツミ電機の各拠点に、ミネベア側から延べ約500名の製造支援部隊を送り込みました。私も幹部を引き連れて、ミツミ電機のセブ工場(フィリピン)へ出向き、改善点を100項目以上指摘しました。

 製造現場というのは、すごく難しいように捉えられますが、よく見ていると、なぜこんなことをやっているのかという疑問が浮かびます。これは別に特別な知識など要りません。東京大学を出てなくても、優秀な製造担当者はいくらでもいるじゃないですか。それは知識とは関係なく、いかにその現場をきちっと見て、常識からしておかしいことを見つけられるかどうかということだと思うんですよ。