「アース ミュージック&エコロジー」などを展開するアパレル企業、ストライプインターナショナル。衣料品不況が叫ばれる中で気を吐く、創業23年の企業だ。モノ作りに拘泥せずサービスで市場を広げる柔軟性と冷徹な数値管理を両立させている。

(写真=北山 宏一)
石川康晴社長の経歴
1970年:岡山県岡山市生まれ
1994年:地元岡山でセレクトショップを開業
1995年:ストライプインターナショナルの前身クロスカンパニーを設立
1999年:アース ミュージック&エコロジー開始
2009年:米トム ブラウン ニューヨークに出資、筆頭株主となる(2016年に大半を売却)
2010年:アース ミュージック&エコロジーのブランドキャラクターに宮崎あおいさんを起用
2014年:地元岡山に石川文化振興財団を設立
2016年:社名をストライプインターナショナルに変更
アパレルメーカー不振の主な要因
  1. 旧態依然とした事業ポートフォリオ。物販以外に踏み出せずに近視眼的経営に
  2. 撤退基準が曖昧なまま、ずるずるとブランドを続ける悪弊

 ストライプインターナショナルは「アース ミュージック&エコロジー(アース)」など計15ブランドを展開するアパレル企業です。1994年に岡山市で4坪のセレクトショップから始め、現在は全国に1255店舗を持つまでになりました。ストライプを全国区に押し上げた代表ブランドのアースは、現在267店舗。店舗数ではセレクト業態のグリーンパークスが320店舗と最も多くなっています。この数は、ファーストリテイリングの2番目のブランド、「GU(ジーユー)」と同程度の規模です。現在、売上高は連結で1257億円(2015年度)。今年中の上場を予定しています。

売上高は右肩上がり
●ストライプインターナショナルの売上高と店舗数の推移
注:2014年度以降は連結

 アパレル業界は、現在「冬の時代」とも言われています。15年ほど前、11兆円程度だった市場規模は、現在9兆円まで落ち込んでいます。オンワードホールディングス、ワールド、三陽商会、TSIホールディングスといった伝統的な大手アパレルは百貨店内の店舗などが苦戦し、店舗閉鎖やブランド終了を進めています。ただ衣料品市場の縮小は、今に始まった話ではりません。

 ストライプが創業したのは1994年。バブルが崩壊した後です。すでに業界は絶頂期を過ぎていました。そういう時期に、アパレル事業を始めたことで、旧来の常識に染まらずにやってこられたのかもしれません。

日舞の母と会社役員の父

 僕は、14歳の頃に起業を決心しました。今で言う「(思春期の過剰な自意識などを指す)中二病」ともいえますね。周りの友だちが、少年漫画雑誌やファミリーコンピュータを買っているのに、僕はお年玉で洋服を買っていました。「正月のバーゲンの時にだけやってくる男の子」として、地元の洋服屋さんでは、ちょっと有名でした。

 母親を含めて、親戚が日本舞踊をやっていた関係で、よく盆正月に親戚が集まると、着物の話をしていました。僕がそこにいると、たまに洋服を褒められるんですよね。「そのベージュのパンツにグレーのトップス、いいね」と。褒められると調子に乗る方だったんですね。どんどんファッションにのめり込んでいきました。

 起業を決意したもう一つの理由は、父親です。父親は当時会社の役員でしたが、その企業は同族経営だった。父親はナンバーワンになることはできず、ビールを飲みながらいつも僕に「二番手はダメだ」と言っていました。二番手がダメなら、起業するしかない。好きなものは洋服。結果、この「斜陽産業」に飛び込むことになったんです。