100人規模から17万人の巨大企業へ。成長を生んだ社員持ち株制や輪番CEO制はなぜ生まれたのか。ファーウェイのグローバル化をけん引してきたケン・フー副会長に話を聞いた。

(聞き手は 本誌編集長 飯田 展久)

技術革新はマラソンのようなもの。
ある程度の強度で継続しなければ、効果は表れません。

胡厚崑(ケン・フー)氏
ファーウェイの取締役副会長兼輪番CEO。1968年生まれ。湖北省武漢市の華中科技大学卒。90年、同社に入社。戦略&マーケティングやセールス&サービス、グローバル・セールスといった各部門のほか、ラテンアメリカ地区や中国市場の統括責任者などを歴任。同社のグローバル化に貢献した一人と言われている。(写真=的野 弘路)

 問 創業から30年弱で、世界170カ国で事業を手掛けるグローバル企業になりました。成長の要因はどこにあると考えていますか。

 答 「私がファーウェイに入社したのは26年前。当時はまだ従業員数が100人に満たない規模で、中国市場だけを念頭に通信機器を扱っていました。それがグローバルで事業を手掛けるICT(情報通信技術)企業に成長しました」

 「私個人の経験に照らしてみると、ファーウェイが成長できたことには、いくつかの要因があると思います」

 「1つ目は『カスタマーセントリック(顧客中心主義)』という企業文化です。この文化が従業員一人ひとりにまで浸透している。従業員の行動だけでなく企業の運営も全てこの文化が貫いています」

 「2つ目は、中心となる事業にフォーカスする経営戦略です。ICTの分野は非常に幅が広く、様々な事業が可能ですが、我々は『よりつながった世界』という目標に向かって事業を集中させてきました」

 「3つ目は長期にわたる技術革新です。ファーウェイは創業のその日から30年間ずっと、技術革新を大切にしてきました」

 「我々は毎年、売上高の10~15%に当たる金額を研究開発につぎ込んでいます。2015年の研究開発費はおよそ90億ドル(約1兆円)でした。うち10%は将来に向けた研究に充てています。技術革新はマラソンのようなものです。常にある程度の強度で継続しなければ、効果は決して表れません」