INTERVIEW
本荘武宏社長に聞く
データ活用で価格競争を回避する

データ分析を今後どのように生かしていきますか。

(写真=菅野 勝男)
(写真=菅野 勝男)

 エネルギー自由化でビジネス環境が大きく変化した。長期的に価格競争を続けるわけにはいかない。当社の強みであるデータ分析力を生かし、顧客満足度を向上できたら、値下げをしなくとも顧客の引き留めにつながる。
 データ活用でガス機器の故障対応にかかる時間を短縮できた。家庭や工場のガス・電力使用状況をデータ分析し、省エネや生産効率向上につなげるサービスも重点的に強化していく考えだ。

ガス事業で顧客流出が続いています。

 当社のエネルギー事業は、一進一退の展開が続いている。電力販売では、当初2020年度までに70万件という顧客獲得目標を掲げたが、既に足元で約80万件を獲得して好調だ。20年度の目標も100万件に引き上げている。
 一方、ガス事業で他社が値下げを仕掛けて顧客が一部流出することは想定内だった。自由化は始まったばかりなので、焦ってはいない。流出顧客のデータを分析すると、当社と接点の少ない方の流出が多い。ガス機器のみならず、エアコンやキッチン、照明などを定期検診し、住まいの困り事を解決するサービスを拡充する。そうして顧客とのリアルな交流を増やしていく。

関東や海外など、地元関西以外への事業展開も拡大しています。

 中部電力と組んで首都圏で電気・ガスの販売に乗り出した。企業間のアライアンスも今後は必要性が高まってくる。海外では、燃料の調達といったバリューチェーンの上流部分のビジネスを拡大する。米テキサス州では、シェールガスを原料に使うLNG(液化天然ガス)の生産に乗り出しており、ガスの液化も手掛けていく。幅広いノウハウを獲得し、東南アジアなどの成長市場で、LNG受け入れ基地やIPP(独立系発電事業者)など大規模なインフラビジネスを手掛ける計画だ。

非エネルギー事業への投資も積極的です。

 エネルギー業界で既存の秩序が変わる中、従来のガス会社から「枠を超える」ことを方針として掲げている。事業ポートフォリオの多角化を図るために材料・情報・都市開発の事業へ重点投資し、M&A(合併・買収)も積極的に行う計画だ。エネルギー事業の一本に頼るのはリスクが高い。

日経ビジネス2018年11月19日号 58~62ページより目次

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