オイシックスと大地を守る会が10月に経営統合し、新会社として歩みだす。有機野菜農家とのネットワークを生かしながら、定期購入サービスで顧客ニーズを深掘りする。米アマゾンが本格参入するなど大乱戦が始まる「食品×ネット」業界。先行者は存在感を保てるか。

オイシックスの物流施設 (神奈川県海老名市)。冷蔵フロアで働くスタッフは 真夏でも厚着している

 横浜市に暮らす会社員女性(28)に最近、毎週欠かさない習慣ができた。日曜日になると自宅でノートパソコンを開き、食材宅配サービスのウェブサイトを訪問。翌週末に届けてもらう野菜や乳製品のリストを確認するのだ。

 リストはあらかじめ運営者が作ってくれる。欲しい食材があれば追加でき、要らないものは削除も可能だ。女性のお気に入りはレシピと必要な具材がセットで届く料理キット。スーパーには並ばない珍しい野菜を買える点も、家庭菜園が趣味の夫に好評だ。「共働きなので、最近は夫婦の予定を合わせるのが難しい」といい、ネットで日々の買い物が完結する利便性に財布を開く。

 このサイトを運営するのが有機野菜の宅配サービス大手、オイシックスドット大地だ。2000年、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の高島宏平社長が設立。11年の原子力発電所事故後に食の安全への関心が高まったことで会員数を伸ばし、ここ数年は冒頭の女性のような時短ニーズも取り込んで成長を続けてきた。17年10月には有機野菜の宅配で先輩格の大地を守る会と経営統合し、事業拡大に乗り出す。もともとの社名は「オイシックス」だったが、認知度を高める狙いから、7月にはいち早く社名に「大地」を加えた。