トレードマークの白い髪と、かっぷくのいい体格。最新の経営論から詳細な技術論まで幅広い話題を取り上げて、若い学生を飽きさせない。ドイツの首都ベルリン南西部に位置するポツダム大学で、72歳になった今もエネルギッシュに教壇に立つ名物教授がいる。

 ハッソ・プラットナー氏。SAPの共同創業者である。

 同氏は技術者として、SAPの基幹製品であるERPソフトの開発を創業時から主導し続けた。1997年から2003年までは会長兼CEO。現在は取締役会議長としてSAPの経営を監督している。

 そのカリスマ性から、プラットナー氏は現在も社内外で高い人気を誇る。SAPが毎年、ユーザーなどを招待して開く大型イベント「SAPPHIRE NOW(サファイア・ナウ)」は、同氏の基調講演見たさに参加する人も少なくない。アンゲラ・メルケル首相からの信頼も厚く、独政府が推進するインダストリー4.0構想について相談にあずかっているという。

 プラットナー氏は1998年、個人資産を寄付し、ポツダム大学内に教育機関「ハッソ・プラットナー・インスティテュート」を設立した。ITを研究対象とする4年制の大学課程と2年制の大学院修士課程を提供している。

 この教育機関でプラットナー氏が自ら始めた研究が、2000年代に危機に陥ったSAPを再生させた。