百貨店の「大丸」「松坂屋」を傘下に抱えるJ.フロントリテイリングが変革を急いでいる。小売りの枠を超えて保育事業に参入。外部から人材も続々とスカウトして、企業風土を刷新する。新たな成長の種を求めてもがく姿は、成熟した産業に身を置く多くの企業にとって示唆に富む。

百貨店が保育事業に参入する──。2月末、「大丸」「松坂屋」を傘下に抱えるJ.フロントリテイリングが公表した大規模な保育園の開業計画。「信じられない一手。うちではとても考えられない」。ライバルの百貨店大手の関係者はこう驚きを隠さない。
5月上旬、Jフロントが発表した来年4月に横浜市で開業を予定する第一号の保育所は定員が342人。ターゲットは共働きなどの所得が高い家庭で、英語教育、知能教育、運動指導に加えて、職業体験のプログラムも提供する。
多くの人がイメージするような従業員向けに百貨店の空きスペースを保育所に転換するのではない。Jフロントは本気でビジネスとして大規模な保育施設を大都市圏で展開する方針だ。
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