「ベビースター」ブランドの菓子メーカー、おやつカンパニーがファンドに買収されて3年半。これまで取材を受けてこなかった創業家が、初めてその狙いと改革の中身を語った。背景には、事業継承と持続成長という、全てのオーナー企業に共通の悩みがあった。

「ベビースター」ブランドを中心に大人向け市場などを拡大し、事業を成長させてきた(写真=スタジオキャスパー)

オーナーも組織も準備に3年

 「カーライルのネットワークを活用し、海外展開を加速していく」──。

 スナック菓子「ベビースターラーメン」を手掛ける非上場会社、おやつカンパニー(三重県津市)が、そんなコメントを出したのは2014年5月。売上高200億円程度の地方のオーナー企業が、世界的な投資ファンドである米カーライル・グループの資本を受け入れたことが注目を浴びた。だが、創業家2代目の松田好旦氏は、狙いや経緯について一切口を閉ざしてきた。松田氏が初めて、決断の背景や苦悩を日経ビジネスに語った。

 「(投資ファンドの資本を受け入れる)今回のスキームは十数年前から考えていました。当初は2人の息子を入社させて、事業継承をする予定でした。長男は銀行にお世話になって、次男は海外展開に備えて海外で勉強をさせました。でもね、気付いたんです。DNAでは経営はできないと」