地方では鉄道の維持こそ課題

「スペシャルリポート 通勤ラッシュの実態を探る」(12/12号)

 私は5年前から仙台市に住んでおり、記事に書かれているような通勤ラッシュとはほぼ無縁だ。そのような者から見ると、記事に記載されたような通勤ラッシュの不満の改善を鉄道会社に求めるのは筋違いではないかと感じる。首都圏の鉄道は国内の他の都市と比べて、安価でどの時間帯も本数が多く、極めて便利である。
 地方に目を向ければ、鉄道など公共交通機関は衰退の道を歩んでいる。ローカル線の廃止については、既に知られているとおりだ。今後の人口減を考えると、首都圏の鉄道も利用者減少の道をたどるであろう。鉄道会社が取り組むべき課題は、混雑緩和策よりも安全対策や施設の老朽化対策、果ては鉄道そのものの維持対策になっていくのではないか。

大内 利彦(宮城県、会社員、43歳)

編集部から

 鉄道インフラは、大都市と地方の両面において問題を抱えています。大都市の通勤ラッシュ対策は、安全対策とも密接に結び付いています。混んでいるからこそ、ホームや乗り降りでトラブルが起き、さらに遅れるという悪循環に陥っているからです。ご指摘の通り、地方の鉄道路線の維持は喫緊の課題です。先日も北海道旅客鉄道(JR北海道)のほか、西日本旅客鉄道(JR西日本)でも廃線に関する発表がありました。クルマを運転できない高齢者が増える中、地方の鉄道網をどう維持していくか。こうした問題意識を深める記事も掲載していきたいと考えています。

/大西 孝弘

年金を政争の具にするな

「ニュースを突く 年金改革が抱える真の課題」(12/12号)

 今般成立した年金制度改革法について、野党は「年金カット法」と批判し、与党は「年金確保法」と名付けて正当性をアピールしていたが不毛な議論だ。「現在の年金を抑制し、将来の年金を確保する」と言えばいいだけだ。今後、物価が上がっても賃金が下がった場合に年金給付を抑制するというのは、現役世代からすれば当然のことと感じる。野党は年金カットの部分だけを取り上げて批判するのではなく、将来世代の給付水準をどう確保するかを示すべきだった。年金は長期的視点での制度設計が必要であり、政争の具にするのは愚の骨頂だ。

星 愛理南(神奈川県、団体職員、26歳)

編集部から

 公的年金の歴史は迷走のそれと言っていいでしょう。田中角栄元首相時代の1973年、政府は厚生年金をそれまでの2.5倍に一挙に引き上げました。ところが、年金財政が厳しくなることが分かり、以後は抑制へ。最近では2004年にマクロ経済スライドと呼ぶ新しい抑制策を導入し、年金は100年安心としました。しかし、これもほとんど実行できず、今回の改革です。有権者がもっと監視を厳しくして声を上げ続けなければ年金は本当に持たなくなります。

/田村 賢司

日経ビジネス2017年1月9日号 89ページより目次

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