間接部門は崩壊した

「特集 おのれ!間接部門」(12/5号)

 間接部門一筋で40年。役職定年になった。最初の25年は、記事にあるような対立の構図は経験しなかった。しかし、その後海外勤務から戻ると、間接部門でも日本の「失われた20年」が出現しており、社内で間接部門の劣化を訴えてきた。成果主義の弊害か、「私の仕事はこれだけ」というバリアができ、組織的には「間接部門の仕事はこれ」と他を思いやる風土がなくなり、縦割りの弊害だらけになったようだ。今や劣化から崩壊にまで至ったと思う。劣化は「食い止めろ」となるが、崩壊ならば「作り直せ」となる。むしろその方が解決の早道だ。10年後には「経理も人事も総務もAI(人工知能)に」となるのは必至と感じる。

匿名希望(東京都、契約社員、61歳)

編集部から

 高度経済成長期に間接部門の肥大化が目立ち始め、その後のバブル崩壊と成果主義の導入によって、間接部門の存在自体を問う風潮が強まりました。歴史に名を残すような名経営者も、間接部門との付き合い方に苦慮してきたようです。「評価のために無駄な仕事を増やす」のは論外ですし、AIに代表される技術の進化はそうした間接部門の「雑用部分」を代替する可能性が極めて高いでしょう。
 ただ、企業活動が複雑化する中で、高度な専門知識や社員のきめ細やかなケアなど、間接部門が本質的に持つ“機能”の重要性は足元で高まっています。それを認め、いかに活用するのか。問われているのは、経営者の度量なのかもしれません。

/杉原 淳一

人間性で謝罪の効果は変わる

「特集 謝罪の流儀2016」(12/12号)

 テレビ番組でお辞儀の角度がクイズになるなど、謝罪もマニュアル化しているようだ。ただ、スズキの鈴木修会長の「人情的に考える」という発言は、責任を認めながらも愛情が感じられ、従業員は意気に感じたことだろう。福岡市の陥没事故での高島宗一郎市長はスマートで安心感があった。それに引き換え、築地市場移転問題での市場長らは、気持ちが入っていないのが明らか。舛添要一・前東京都知事は多くの人が男を下げたと思っているだろう。謝罪がマニュアル化されても、人間性で効果は違うものだと感じた。

佐藤 真由子(新潟県、会社員、37歳)

編集部から

 今年も多くの謝罪がメディアで取り上げられました。ネットと既存メディアが絡み合うメカニズムが出来上がり、炎上のスピードが速く、その爆発力も大きくなっています。炎上を完全に防ぐのが難しい世の中になった以上、目を向けるべきは有事の後の対応でしょう。
 ご指摘のように、そこでトップの人間性が重要になります。とはいえ、鈴木会長の「人情的に考える」という発言は謝罪の常道からは大きく外れるもので、他のトップが形だけまねても再炎上することになります。成否を分けるのは、常日頃から社内外と密なコミュニケーションを取っているかという点です。マニュアル的ではない、人間性を前面に出した発信を続けていれば、いざという時にも「この人が言うなら間違いない」との信頼が生まれるのだと思います。

/林 英樹

日経ビジネス2016年12月26日・2017年1月2日号 154ページより目次

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