失敗は振り返って財産

「特集 挫折力」(8/7・14号)

 「雪印」の事例のように過去の事件を風化させると同じ失敗を繰り返すことになる。私自身も過去に大きな失敗をしたにもかかわらず、再度同じ失敗をした経験がある。事の重大さを理解せず、うまくいった成功体験だけを記憶に残してしまった。失敗も成功も、なぜそのような結果になったのか振り返り、原因を洗い出して次に生かす必要があった。「失敗」と聞くと「悪」のイメージが付きまとうが、失敗を財産にするためにも、当事者だけでなく周りの人と意見、知恵を出し合い、失敗を経験でなく歴史で学び、振り返る取り組みを推進していきたい。

匿名希望(三重県、会社員、31歳)

編集部から

 「『失敗』と聞くと『悪』のイメージが付きまとう」のは日本では一般的ですが、米国シリコンバレーではむしろ逆。現地の投資家たちは、失敗の経験をより多くしている経営者にこそ価値を見いだします。取材班は、この点に問題意識を持ちました。

 今、あらゆる業界でパラダイムシフトが起きています。EV(電気自動車)への移行や自動運転の導入が急速に進む自動車業界しかり、IoT(モノのインターネット化)で製品の在り方が変わりつつある工作機械業界しかり、人手不足で自動化や効率化が急務のサービス業界しかり……。新しいチャレンジなしに生き残りが難しい今だからこそ、失敗を恐れない勇気と、失敗から学んで次へ生かす姿勢が大切になると思うのです。

/池松 由香

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