民主国家・日本に必要なもの

「スペシャルリポート 民主主義の危機と安倍政権の『逆行』」(7/10号)

 英エコノミスト誌・元編集長のビル・エモット氏のインタビューを読み、「その国の政府は、その国に生きる人の鏡である」というマックス・ウェーバーの言葉を思い出した。英国や米国は、他の国から見れば、理解に苦しむような選択をしてしまった。しかし、それは民主的な方法による選択であるから仕方がない。民主主義は手間暇のかかる政治手法だが、他の形態よりも優れている。国民は独裁者を選ぶことはできない(選挙の結果、選ばれた者が独裁者のように振る舞うことはあるが)。様々な媒体によって情報の氾濫する現代だからこそ、国民は投票に当たって、しっかりした判断基準を持つべきだろう。

細井 邦生(東京都、会社員、54歳)

編集部から

 自由主義の原型とされ、「法の支配」と法の下での平等を求める「マグナカルタ」をイングランド王国のジョン国王が制定したのが1215年。しかし英国で同憲章の内容は400年近く履行されませんでした。英米でこれらの原理が確立したのは19世紀。自由、平等、博愛の精神を掲げたフランス革命を含め、以来200年以上の歳月をかけて西洋が試行錯誤を重ね進化させてきたのが今の民主主義です。

 日本も戦後、その民主主義の「開放性」と「平等」の組み合わせがもたらす繁栄、安全、安定を享受してきたという事実を強く再認識することが今の閉塞感を打ち破る第一歩なのでしょう。エモット氏の危機感が広く共有されることを願うばかりです。

/石黒 千賀子