早期の原因究明と経営改善策を

「時事深層 日本郵政、巨額減損処理へ」(4/24号)」

 日本郵政は買収した豪トール・ホールディングスの業績不振に伴い、4000億円余りの損失を計上し、2017年3月期決算で赤字に転落する見通しだという。そもそも、なぜトール社を買収したのか。人口減少による国内市場の縮小を背景に、日本企業が海外での買収に活路を求める動きは強まる一方だが、リスク管理の専門家が少なく、安直な買収には失敗例も多い。この赤字転落の影響で、全国に張り巡らせた郵便局と配達網のサービスが低下することが懸念される。ともかく、日本郵政は国民生活に関わる公的事業を担っているだけに、早期に原因と経営責任を明確にし、経営の立て直しに尽力すべきだ。

横田 正和(京都府、会社員、52歳)

編集部から

 上場企業でありながら、公的機関としての役割も持つ日本郵政グループは「親方日の丸」を体現する会社です。自民党の大票田になっているという事情もあり、「どうせ自分たちは潰れない」という危機感の無さが、この日本最大級の企業グループをむしばんでいます。だからこそ、「郵政グループは一度、赤字転落した方がいいのかも」という思いを抱きながら、取材を続けてきました。そして今回、日本郵政は2017年3月期に豪物流会社のトール・ホールディングスを減損処理し、初の最終赤字に転落しました。この事態をどう受け止め、今後の経営にどう生かすのか。民間企業から転じた現経営陣の手腕が問われるのはこれからでしょう。全力で取材を続けます。

/杉原 淳一

次ページ 住民主体の地域活性化が重要