「心」が人と機械の境界線

 機械は人間よりも有能だ。仕事の現場でロボットが人間を追いやり、無駄を徹底的に排除していく。企業の現場レベルだけでなく、人間側の最後の砦といってもいい、経営者の立場すらも脅かす存在になりつつあるというのは真実だと思う。しかし、AI(人工知能)が経済を制しても、人の心までは支配できないというのが弱点だ。

 「人間は考える葦である」。フランスの思想家パスカルが残したこの言葉は至言だ。人間と機械の間には心という、堅固な違い、境界線がある。逆に言えば、もし人間が心をなくしてしまうようなことがあれば、経済だけでなく本当の意味で機械に支配されてしまう日が来るだろう。

中井 實(兵庫県、無職、75歳)

編集部から

 AIやロボットの進化によって、あらゆる労働現場で「無人経済」は動き出しています。無駄を徹底的に排除し人間の仕事を奪う流れは、今後加速していく可能性はあるでしょう。

 一方で、機械が万能ではないのも事実です。特集の中で塩沼亮潤・大阿闍梨(だいあじゃり)も、「AIが経済の中心になったとしても、人の心が支配されることはない」と指摘しています。それどころか、AIやロボットは、人間に代わって消費者にすらなれません。無人経済は人間がいなければ成立しない世界なのです。無人経済を幸せに生き抜くには、機械を脅威に感じるのではなく、どう共存していくかを考える必要がありそうです。

/佐伯 真也

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