中古住宅市場の成長は難しい

「特集 家の寿命は20年」(2/22号)

 私は建物の査定価値が築20年でゼロになるという不動産業界の慣習で得をした。7年前、首都圏の駅から徒歩10分圏内に、当時築27年のハウスメーカー製の一戸建てを購入したが、購入代金は土地代のみで5LDKの建物代はゼロである。インスペクション専門会社に建物の検査をしてもらうと「あと30年は普通に住める、お買い得です」と太鼓判を押されたため購入した。

 しかし、中古住宅市場が拡大することはないと思う。なぜなら修繕業界が育っていないからだ。

 毎月の住宅ローンで青息吐息の身には、数十万~数百万円のリフォームなんて夢のまた夢。購入1年目から、風呂場の鍵が壊れた、キッチンのタイルが剥がれた、洗面所の水道栓のレバーが折れたなどトラブルが続くも、対応してくれる業者はない。ホームセンターに行って、自分で何とかしないといけない。自身の体験から、中古住宅が注目を浴びても成長は難しいのではないかと感じた。

増田 賢治(神奈川県、会社員、51歳)

編集部から

 ドイツでは新築住宅への補助金を打ち切り、中古向け修繕を手厚く支援する政策へと転換。その結果、建設業者の多くがリフォーム主体へと変わりました。「修繕業界が育っていない」とのご指摘は、いまだに新築一辺倒の政策を続けている日本政府の不作為によるところが大きく、我々はそこに問題意識を持っています。

/林 英樹

人間がやりたくない作業をするロボットを

「時事深層 『次はロボット』HIS澤田氏の挑戦」(3/7号)

 ソフトバンクの孫正義氏のロボット「ペッパー君」といい、日本を代表する起業家2人が全く同じ発想をしているのが面白い。確かに少子化で国力の衰退が憂慮されている我が国にとって、介護ロボット、建設ロボットなど、労働力の補完としてのロボットの開発、活用は喫緊の課題かもしれない。

 同じ号のスペシャルリポート「移民よりまずはロボット」の記事と併せて読むと、その必要性を痛感する。ロボットがあまりに高度化し、人工頭脳を持つと、人間が支配されると危惧する専門家もいるが、まずは3K労働など、危険で過酷な「人間がやりたくない作業」を代替させるロボットの開発、利用を考えてみてはどうだろう。

長谷川 浩道(神奈川県、無職、69歳)

編集部から

 エイチ・アイ・エスの澤田秀雄氏がロボット開発会社を立ち上げる背景には、「産業用ロボットを除くと、人間の手が掛からず自律的に作業できるロボットがほとんどない」という問題意識があります。

 危険で過酷な「やりたくない作業」から完全に人間が解放されるには、人間のサポートがなくても作業をこなせるロボットを作ることが必要。作業負荷の軽減や生産性向上に大きく寄与する実践的なロボットの開発は、まさに今後の課題と言えます。新しい観点でロボット事業に参入する澤田氏の挑戦は、既存のロボット業界に大きな刺激をもたらす可能性があります。

/宗像 誠之

日経ビジネス2016年3月21日号 130ページより目次

この記事はシリーズ「往復書簡」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。