長寿を幸せと思える人生設計は前途多難

「特集 幸せ100歳達成法」(2/5号)

 50歳を手前にして興味深く読んだ。40代半ばから、残り半分の人生の過ごし方を気にし始め、お金に換算できない無形資産形成に取り組んでいる真っ最中だ。世の中の速い流れを俯瞰的に捉える目と自分の能力を考慮した将来像との接点を見いだし、そこへ向けた積極的な行動が重要だ。

 しかしながら、新たなスキル習得(リカレント教育)にはある程度の資金が必要で、資金不足が最大の障壁だと痛感する。幹部職昇進後、給料は上がらず、子どもの教育費が占める割合は年々増すばかり。年老いた両親のケアも気にかかり、自分磨きへの投資は後回しだ。どこに矛先を向ければよいものかと歯がゆく思いながら時間だけが過ぎていく。長生きを幸せと思える人生設計と、それに基づく実行は前途多難である。

匿名希望(神奈川県、会社員、48歳)

編集部から

 長寿化が進む中、より長く働き続ける必要性が高まっています。時代に対応するスキルや技術を習得するための社会人の学び直しにも注目が集まり始めています。しかしリカレント教育の普及には、2つの大きな課題があります。一つは、ご指摘の通り、お金と時間がかかる点。金銭面などで公的な支援が必要です。

 もう一つの課題は企業側にあります。ほとんどの日本企業では、社員が外部機関で学んだとしても給与増や昇進には結び付きません。努力が報われるか分からないため、学び直しへの動機が生まれにくい状況です。この国には個人の学びを支えるための環境整備が急務です。

/武田 健太郎

日経ビジネス2018年2月26日号 113ページより目次

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