AIは怖いものではない

「テクノスコープ 『最終ゴール』に迫る人工知能」(2/1号)

 日経ビジネスはいつも興味深く読んでいるが、特に「テクノスコープ」は参考になる。2月1日号のAI(人工知能)には、「支配される」とか「雇用を奪う」といった扇動的な脅威論がくすぶっている。しかし、AIも一種の“道具”にすぎない。道具の進化によって、これまでも人間は新たな社会・文化を構築してきた。

 良い例の一つが表計算ソフトだ。表計算ソフトのおかげで、つまらない計算ミスは激減した。面倒な相関係数や現在価値の計算などは、この道具に任せておけばよい。我々は創造的な時間を手にするのである。

 AIという新しい道具は、自動運転やフィンテックなどの高度な技術・サービスばかりではなく、身近な場面で今後、様々な価値を生んでいくだろう。日経ビジネスには、新たな価値を切り開くAI起業家たちを冷静に取り上げる目利き役となることを期待している。

五十嵐 肇(東京都、会社員、52歳)

編集部から

 19世紀の英国で、工場労働者が機械を打ち壊す「ラッダイト運動」が起こりました。今のAI脅威論についても、同様の感じを受けます。

 今年3月、米グーグルの囲碁AIとイ・セドル九段との対局が行われます。AIも道具であると実感し、冷静に議論するには、「人間超え」の確認は必要な通過儀礼なのかもしれません。なお、私の棋力では囲碁AIには勝てないことが分かり、個人的には既にシンギュラリティー(技術的特異点)を体験しました。

/広岡 延隆

日経ビジネス2016年2月22日号 100ページより目次

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