東京五輪の競技会場を巡ってレガシーという言葉をよく聞く。だが「遺産」は遺産になることを狙って建設できるものではないと思う。城郭など、日本にはユネスコの世界遺産に登録された建築物が数多くあるが、どれも遺産になることを念頭に設計・施工されたものではないだろう。前回の東京五輪の競技会場で、多くの人が納得する遺産と呼べるものは、日本武道館ではないか。もともと武道の聖地として建設されたが、いまは音楽の殿堂としての顔も持つ。当時全く予想されなかった使われ方だ。レガシーと呼べるものは、想定外の運も味方に付けなければ、そうそう誕生しないのだ。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1279文字 / 全文文字
-
U29対象デビュー割実施中!5/31締切
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題
日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「往復書簡」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?