東京五輪の競技会場を巡ってレガシーという言葉をよく聞く。だが「遺産」は遺産になることを狙って建設できるものではないと思う。城郭など、日本にはユネスコの世界遺産に登録された建築物が数多くあるが、どれも遺産になることを念頭に設計・施工されたものではないだろう。前回の東京五輪の競技会場で、多くの人が納得する遺産と呼べるものは、日本武道館ではないか。もともと武道の聖地として建設されたが、いまは音楽の殿堂としての顔も持つ。当時全く予想されなかった使われ方だ。レガシーと呼べるものは、想定外の運も味方に付けなければ、そうそう誕生しないのだ。

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