「標準世帯」への固執を捨てよ

「特集 『家族』を考える」(12/25・1/1号)

 時代が変わっても「家族=血縁」が主流なのは変わらない。しかし、「幸せも家族も多様化」の時代がやって来ていると感じている。周囲を見回すと、夫婦と子供2人で世帯主だけが働く「標準世帯」よりも、未婚や離婚、ひとり親世帯などが急増しているからだ。事実婚も含めて「家族の多様化」を認めるなら、扶養控除などの制度見直し論議は避けられない。「標準世帯モデル」に固執すれば、将来予測を見誤るのは自明だ。標準世帯よりも、健康・年金保険料は自分で負担するシングルやカップルが増えれば社会保障制度の安定化にも寄与しそうだ。

畑山 千香(東京都、会社員、33歳)

編集部から

 我々は「家族」の幻影を追いすぎたのかもしれません。家庭の中心にはいつも「主婦」の姿があり、温かい食事を作り、子供と旦那の帰宅を待つ……。「主婦=サラリーマンの妻」という構図でもあります。しかし社会学者によれば、日本で主婦が主流だったのは1970年前後の短期間だけで、昔は夫婦で農業に従事し、今では共働きが多い。それでも主婦という亡霊がさまよい、国家も企業もそれを前提に制度を築き、世帯と世代が分断され、家庭内にまで溝を作った。夫と妻がどう役割分担するか、本来は家族の数だけある境界線に、周囲も含めて「亡霊の枠組み」を当てはめます。我々がまずなすべきは亡霊を解き放ち、シングルやレズビアンカップルも含めすべての支え合いを包含する社会を目指すことではないでしょうか。

/金田 信一郎

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