ある事情で、この1週間ほど、集中的にテレビを視聴している。10年ぶりくらいでテレビ漬けの生活をしてみると、あらためて驚かされることが多い。

 たとえば、CMが軒並み高齢者向けにシフトしている。もっとも、入れ歯安定剤、尿漏れパンツ、女性用部分かつら、関節痛サプリメントといったあたりの商品は、私が頻繁にテレビを見ていた当時から、昼の時間帯の有力なスポンサーではあった。それが、現在では有力どころか独占的な地位を占めるに至っている。加えて、過払い金診断の法律事務所や、墓地墓石といった葬儀ビジネスが電話番号を告知するタイプの一本釣り広告を展開している。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 高齢化は、番組の画面からも伝わってくる。なにしろ、キャスター、レギュラー出演者からゲストに至るまで、出演している人たちの年齢がそのまま10年分歳を取っている。特に午前中から夕方にかけてのテレビは「徹子の部屋」をはじめ、20年前に司会をやっていた同じ人間をそのまま起用している。バラエティーでも、40代の芸人が若手、50代が中堅の扱いでひな壇に座っていたりする。当然のことながら、取り上げる話題も、高齢者に特化したお話に終始している。

 個人的に強い印象を得たのは、活字メディアとテレビとの扱うニュースの性質の違いだ。ネットニュースやSNSのようなオンラインメディアと比べてみると、テレビの中の話題は、さらにかけ離れている。まるで、別世界の出来事みたいだ。

 中でも朴槿恵(パク・クネ)大統領関連ニュースの報道量の大きさは別格だ。