2016年12月に中央教育審議会によって出された答申によって、戦後最大ともいわれる国語改革が行われようとしている。なかでも、注目されているのは、高校の学習指導要領の改訂だ。それによると、これまで高校1年の授業に割り当てられていた「国語総合」が大幅に減らされる。高2、高3の授業では、実質的に「論理国語」と「文学国語」のうちのどちらか片方しか選択できないようになる。

これらの改訂について、明治大学准教授で文芸評論家の伊藤氏貴氏が、『文芸春秋』11月号に「高校国語から『文学』が消える」というタイトルの記事を寄稿している。この論考のスクリーンショットがツイッター上に出回ると、ツイッター論壇は、その日のうちに、たいそうな騒ぎになった。
中教審の答申で改訂が行われたことそのものは把握していたものの、具体的な内容については、当該の記事を見てはじめて知った。で、あらためて見るに、「国語」を「文学国語」と「論理国語」の2つに分けて扱うプランの、そのタイトルのつけ方のあざとさに、驚きを禁じ得ない。
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