今年の8月、自身のスマートフォン上にいじめ被害を訴える言葉を残して、青森市の中学2年生の女子生徒が、電車にはねられて自殺した。

 この事件にはいくつか後日談がある。

 亡くなる10日前の8月15日、女生徒は、青森県黒石市で開かれた祭りに参加している。その折り、彼女は津軽手踊りの衣装を着て写真におさまっている。で、この時の、真っ赤に開く傘を背景にはじける笑顔で写った写真が、10月にはいってから、同市の主催でおこなわれた「黒石よされ写真コンテスト」において、最高賞である市長賞に選出される 。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 ところが、写真が黒石市長賞に内定したことが撮影者に通知された後で、被写体の少女がその10日後に自殺した女子生徒であったことが判明する。

 東奥日報によると、この段階で、コンテストを主催する「黒石よされ実行委員会」は、撮影者や遺族に事情を説明し、授賞や写真公表の快諾を得ている。しかし、10月13日の夜になって、実行委の担当者や審査員らをまじえて再協議した結果、彼らは、市長賞の内定を取り消し、賞の授与を見送ることを決定する。黒石市の高樋憲市長も14日、実行委に「多くの人に祭りを知ってもらうという賞の趣旨になじまない」と伝達していたという。