2020年東京五輪・パラリンピックの開催費用について、外部有識者からなる東京都の調査チームが「3兆円を超す可能性」を指摘したのだそうだ。

 このニュースをどう受け止めたらよいのか、私はちょっと考え込んでいる。

 というのも、調査チームが提示した「3兆円」というこの数字が、五輪予算の野放図な拡大傾向を告発する意図で示された金額であるのか、あるいは逆に、都民に因果を含める(より多大な出費を覚悟させる)目的で、あえて強調されている数字であるのか、そこのところの判断がつかないからだ。 

 五輪関連予算は、そもそも立候補の段階では、約3000億円と見込まれていたものだ。時の猪瀬直樹都知事が、「誤解する人がいるので言う。2020東京五輪は神宮の国立競技場を改築するが、ほとんど40年前の五輪施設をそのまま使うので世界一カネのかからない五輪なのです。」

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 と、自らのツイッターで高らかに宣言していた通り、2020東京五輪は、少なくとも招致段階までは、「エコ五輪」「コンパクト五輪」というスローガンを掲げていた。だからこそ、招致主体である都民の支持をある程度取り付けることに成功したのでもある。