先々週の当欄で紹介した「貧困女子高生問題」が、思わぬ延焼を引き起こしている。経緯を振り返っておく。

 騒動の発端は、8月18日放送のNHK「ニュース7」が、神奈川県内のとある女子高生の経済的困窮状態を伝えたことだった。取材VTRに、高価な筆記具が映り込んでいたことから、まずネットのSNS(交流サイト)などで、当該の生徒の貧困が「捏造」だと騒がれた。で、これを受けた参院議員の片山さつき氏が、自身のツイッター上で、《拝見した限り自宅の暮らし向きはつましい御様子ではありましたが、チケットやグッズ、ランチ節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょうからあれっと思い方も当然いらっしゃるでしょう。経済的理由で進学できないなら奨学金等各種政策で支援可能!》(原文ママ)と発言し、当件は、「貧困女子高生問題」という一大炎上案件に成長した。

 この種の個人攻撃事案は、ネット上でクリック数を競うニュースサイトや「バイラルメディア」と呼ばれる商用サイトにとっては、そのまま収益源だ。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 つまり、コトの真偽や善悪を超えて、とにかく注目度の高い事件に首を突っ込んで目先のページビューを稼ぐことが、ネットメディアの生死を分かつポイントになっているのだ。