武藤貴也議員の金銭トラブル疑惑は、本人が稚拙な記者会見を開いたことで新しい段階に入った(8月26日現在)。

 会見はひとことで言って支離滅裂だった。まず、不透明な資金集めの経緯と、集めた資金の行方について、武藤議員は、その責任のほとんどを「後輩」であり「親友」であったとする「A氏」に転嫁してしまっている。資金集めの計画の立案も、実行も、資金の流用に関しても、すべては「A氏」のしわざだったという筋書きだ。

 「週刊文春」が誌面でスッパ抜いた、そのA氏との「ライン」上のやりとりに関しては、記事中で引用されていた部分が、本人による書き込みであることを認めている。おそらく、否定できる材料が無かったのだろう。ところが、自分が書いたことを認めていながら、「未公開株の国会議員取引枠」の存在を示唆する文言や、「国会議員のために枠を押さえてあることが一般に知れたら大変」という、口止めを依頼する発言部分について、武藤議員は、「誤解を招く表現だった」という弁解を述べるにとどまっている。つまり、わざわざ記者を招集した上で語られた本人による釈明は、「ボクは信頼している人に裏切られただけで、何も知りませんでした」「未公開株の国会議員取引枠という言い方をしてしまったのは事実と違うので誤解を招く表現でした」という、何の説明にもなっていない繰り言に終始していたわけで、結局のところ、会見を開いたことで、武藤議員をめぐる金銭疑惑は、むしろ深まっている次第だ。