米国のドナルド・トランプ大統領について、日本のメディアが伝える報道の総量は、北朝鮮関連が一段落して以降、目に見えて減っている。そうでなくても、トランプ氏関連のニュースは、どれもこれも区別がつかないほどよく似ている。同じ話で堂々巡りをしているようにしか見えない。こういう安物のソープオペラじみた報道記事にまっとうな関心を抱き続けることは、率直な話、外国人であるわれわれには、ちょっと難しい。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 それでも、時々、思い出したように伝えられてくるニュースは、しかしというべきか、やはりというべきなのか、ひどい出来事ばかりだ。

 あるいは、トランプ氏ご自身がツイッターで連日指摘している通り、米国のメディアは、真実を伝えていないのかもしれない。実際、これほどまでにマスコミの攻撃にさらされている大統領の支持率が、一定の水準を維持し続けている理由は、政治報道そのものが偏向しているのか、でなければ米国民が現実に向き合うことを拒絶しているのかのいずれかなのだろう。

 どっちにしても、正常な事態ではない。米国は大丈夫なのだろうか。

 太平洋をはさんだこちら側から眺めていると、大統領への評価の苛烈さもさることながら、これほどまでに酷評されている大統領が政権を維持しているという事実のほうにむしろ驚かされる。もう少し率直な言い方をするなら、トランプ関連の報道記事は、読めば読むほど意味がわからなくなるということだ。あるいは、私が読んでいる翻訳記事は、パラレルワールドでの出来事を伝えるフェイクの物語なのだろうか……と、時には、自分自身の読解力を疑いたくなる。実に困った事態だ。