民進党の蓮舫代表が、ご本人の戸籍情報の一部を公開して、昨年来くすぶっていたいわゆる「二重国籍問題」を説明するための記者会見を開いた。

 果たして、事態は、憂慮していた通りの形で進行しつつある。

 まず、蓮舫氏を攻撃していた人たちは、戸籍の一部開示では納得していない。彼らは、自分たちの戦術的な「勝利」に勢いづいて、さらなる攻撃に転じている。一方、この戸籍公開は、日本中の二重国籍者や、帰化日本人や、帰国子女や、混血の人々に要らぬ不安を与えている。最悪の展開だ。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 この問題についての自分の考えを述べておく。

 私は、蓮舫議員が過去において二重国籍であったのだとしても、法律的に問題はない、と判断している。国会議員は、立候補の段階で選挙管理委員会に戸籍を提出することで、日本国籍の所有者であることを証明している。この点がクリアになっていなければ、そもそも選挙に出馬することすらできない。そして蓮舫氏が台湾籍を残していたのだとしても、現状の法規では、ただちに違法性を問うことはできない。

 つまり、このたびの「二重国籍問題」は、その問いの立て方自体が「いいがかり」に近いものだった、ということだ。

 もっとも、その「いいがかり」への蓮舫氏の回答が稚拙だったことは紛れもない事実だ。彼女は、発言の度に話の内容を変え、結局、筋道の通った説明を提供することができなかった。

 実際、国籍の問題とは別に、この問題への対応のまずさを理由に、蓮舫氏の政治家としての資質を疑問視する声が上がったのも、当たり前の反応だ。

 とはいえ、騒いでいたのは、一部の排外主義的なネット民とその追随者に限られる。事実、テレビ局などの世論調査では、6割以上の日本人が「問題ない」という意味の回答をしている。