北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)氏が、新たに「国務委員長」という役職に就任した。

 ニュースを伝える記事を読んでまず思ったのは、いまさら1つや2つ肩書を加えたところで何が変わるわけでもあるまい、ということだった。が、落ち着いて考え直してみるに、正恩氏が、手に入れたところでたいして状況が変わるわけでもない称号を、新規に捏造してまで体制固めを図っているのだとしたら、それは、彼の国の権力維持のシステムが崩壊しはじめていることを示唆している。とするとこれは、簡単に看過してよい動きではない。

 北朝鮮は、ほかにも、ここのところ、数次にわたる核実験と、より航続距離の長いミサイルの発射実験を繰り返している。実にいやな感じだ。北朝鮮の軍事力を恐れて、いやな感じだと言っているのではない。私は、ミサイル実験や核開発の実効性とは別に、すぐ隣にある不安定な国に訪れるであろう不測の事態が、周辺諸国であるわが国を巻き込む近未来の到来を懸念している。