秋篠宮家の長女眞子さま(25)が、婚約に向けて準備を進めていることが明らかになった。

 意外なニュースだ。

 婚約が意外なのではない。

 「婚約に向けて準備を進めていることが明らかになったこと」

 が、ニュースとして配信されていることが意外だということを私は申し上げている……というこの文章は明らかな悪文だが、こういう錯綜した書き方で表現しなければならないほど、この「婚約へ」報道の前のめりさは突出している。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 「へ記事だな」

 「屁みたいな記事だってことか?」

 「ちょっと違う。『◯◯へ』というカタチで、確定していないことを確定していない段階で書いてしまう観測記事をオレは『へ記事』と呼んでいる」

 いぶかしいのは、皇室関連の「へ情報」がもたらされた経緯だ。

 一部には、このタイミングでのリーク報道が、共謀罪成立の強行採決から国民の目を逸らせるための、目くらましであるとする見方がある。

 でもって、もう一方には、その見方を、共謀罪憎しでマトモな判断力を見失ってしまった人々による陰謀論として嘲笑する意見がある。

 毎度の水掛け論だ。

 ここでは結論は出さない。ただ、陰謀論の問題点は、それを拡散している人々が「陰謀によってだまされる一般国民」を「馬鹿」と見なしていることが、聴き手に伝わってしまう点だ。

 「つまりあんたは、オレらが政府の陰謀にまんまとひっかかっていると言いたいわけだな?」

 「要するに一般国民はバカで、あんたはアタマが良いということかな?」

 と、人々にこんなふうに思われた時点で、政府の陰謀を語る人々の狙いは、逆効果に陥っているわけなのだが、まあ、彼らは、効果がどうこうよりも、自分の慧眼をアピールできればそれで満足なのかもしれない。