毎度のことだが、セクハラ関連の事件が起こると、必ずや不用意な感想を漏らして墓穴を掘る人々が現れる。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 コメントを通じて己の価値観の粗雑さを露呈した人々が、型通りに炎上することもまた、セクハラ撲滅のためには重要な一過程なのだろうということで、ここでは、福田淳一財務事務次官のテレビ朝日の女性記者へのセクハラ発言問題に寄せられた、諸氏のバカなコメントを振り返っておく。

 まずは麻生太郎財務大臣だ。

 「男の番(記者)に替えればいいだけじゃないか」

 「次官の番(記者)をみんな男にすれば解決する話なんだよ」

 と、記者団に大見得を切っている。

 取材現場から女性記者を排除することをリスク回避策とするこの言い方は「取材現場に現れた女性記者にはセクハラしてもかまわない」「女性が取材する以上、セクハラ被害は覚悟のうえだ」という凶悪な前提を含んでいることを感じさせる。さらに、その原因なり責任なりの一部を女性記者の側に求めている点でも、大臣の発言として論外だ。

 さらに、麻生さんは、4月24日の閣議後の記者会見で「はめられ訴えられているんじゃないかとか、いろいろなご意見は世の中いっぱいある」とコメントしている。これまた被害者の悪意を示唆している点で言語道断だ。

 この麻生発言の前日の23日、元文部科学大臣の下村博文氏が、女性記者がセクハラ発言を録音して週刊誌に渡したことを「ある意味で犯罪」と述べた事実を認めて、謝罪している。