ニュースバリューの評価は、私のような専門外の人間にとってはもちろん、専業のジャーナリストにとっても、簡単な仕事ではない。特にこのひと月ほどのように、次から次へと前代未聞の出来事が勃発すると、どのニュースを1面トップに持ってくるのかは、ことのほかむずかしい判断になるはずだ。

(イラスト=小田嶋 隆)

 4月16日の夜、野党所属の参議院議員が国会近くの路上で、現職の自衛官に罵倒されるという事件があった。概要を聞く限りでは、たいした話には聞こえない。どんな組織にでも跳ね上がりの変わり者はいるものだし、また、国会議員の職業柄を考えるなら、見知らぬ人間に罵声を浴びせられる程度……といっては気の毒だが、名前と顔を知られた人間にはありがちな出来事だとも言える。してみると、今回の偶発事態は、あえて記事化するには足りない「有名税」事案、であるようにも見える。