3月10日、韓国憲法裁判所は、朴槿恵大統領の弾劾訴追を妥当とする判決を下した。これにより、韓国では現職の大統領が罷免されることになった。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 この驚くべき事態を受けて、わが国の有識者の間では、2通りの相いれない見方が広がっている。

 一つは、韓国の民主主義を称賛する見方だ。この見方を表明しているのは、主に安倍政権に対して批判的な人々で、彼らは、民衆の力が政権を倒した点を評価している。

 彼らに言わせると、今回の大統領罷免は、韓国国民の粘り強いデモの圧力が、メディアを動かし、司法に圧力をかけた結果であるわけで、ということは、韓国の政治風土が、わが国のそれに比べて、より民主的だからだというお話になる。

 反対側には、韓国のこのたびの大統領弾劾を、彼の国の民主主義がいまだに未成熟な水準にあることの表れであると見なす人々がいる。