平昌冬季五輪の開幕が目前に迫った2月5日、東京都大田区の町工場が中心となって競技用そりを開発する「下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会(下町PJ)」が、ジャマイカボブスレースケルトン連盟(ジャマイカ連盟)から、今回の五輪で、無償提供を受けていた下町PJのそりを使わないと通告があったと明らかにした。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 下町PJは、契約中のジャマイカボブスレーチームが平昌五輪で自分たちのそりを使用しなかった場合、ジャマイカ連盟に対し開発・貸与の契約解除と損害賠償請求の法的措置を取ると予告した旨を、自身のホームページ上に公開している。

 その後の報道で判明したところを総合するに、「下町ボブスレー」が五輪直前になって使用中止に追い込まれたのは、必ずしも寝耳に水のできごとだったわけではない。

 まず、五輪出場を決する前哨戦のワールドカップでトラブルがあった。ドイツの配送業者のストライキによる遅延から、下町PJのボブスレーが現場に届かなかったのだ。結局、ジャマイカ女子チームはラトビア「BTC」製のそりでレースに臨んで、五輪出場の権利を獲得したわけなのだが、ジャマイカ連盟の話では、この時の結果から、ラトビア製のそりの方が2秒ほど速かったことが判明したのだという。五輪の直前には、下町ボブスレーがレギュレーション違反で失格となる事件も起こっている。

 下町PJの説明では、失格の原因は簡単に修正可能であり、タイムについては、ワールドカップ後に対策したことで、ジャマイカ連盟が指名したオーストリア人技術者から「下町ボブスレーはBTCより速い」と評価されたという。