1月26日、東京都が2020年東京オリンピック・パラリンピック(以下東京五輪)の大会関連経費として、新たに約8100億円を計上すると発表した。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 まったく寝耳に水のニュースで、驚愕を禁じ得ない……と、ことさらに驚いてみせているこの書き方は、いささか白々しいだろうか?

 よろしい。告白する。私は驚いていない。賢明なる読者諸兄と同様、私は、ずっと前から予算が膨張するであろうことを予期していた。懸念の通りに事態が展開していることにちょっとあきれている。それだけのことだ。

 しかし、驚いてはいなくても、腹を立ててはいる。ここのところを曖昧にしてはいけない。

 そもそもの話をすれば、今回の東京五輪は、「低予算で開催される新時代の大会」という触れ込みで招致に持ち込まれたイベントだった。

 12年7月27日、当時の都副知事であった猪瀬直樹氏は「誤解する人がいるので言う。2020東京五輪は神宮の国立競技場を改築するがほとんど40年前の五輪施設をそのまま使うので世界一カネのかからない五輪なのです。」というツイートを発信している。

 ところが、招致が決まってみると、招致段階で立候補ファイルに記載されていた予算の約3000億円は、新国立競技場計画の見直しなどを経た15年12月の時点で、一部メディアが報じた試算では1兆8000億円に膨張していた。

 その後、この金額については色々な議論や見直しがあって、つい先日まで、組織委員会による大会経費の試算額は、約1兆3500億円という線でアナウンスされていた。

 で、このたび、その確定しているかに見えた大会経費とは別に、「大会関連経費」という予算が浮上して、その8100億円にのぼる金額が新たに都の負担に加算される旨が発表されたのが現在の状況だ。

 しかも、誰も驚いていない。