1月22日、安倍晋三総理の施政方針演説とともに開幕した第196回通常国会は、24日衆院本会議での各党の代表質問で、論戦をスタートさせた。

 最初に質問に立った立憲民主党の枝野幸男代表が、冒頭で

 (イラスト=小田嶋 隆)
 (イラスト=小田嶋 隆)

 「草津白根山の噴火によって、訓練中の自衛官の方が亡くなられました。心から哀悼の意を表します。また被害に遭われた皆さまに、心からお見舞いを申し上げます」

 と発言すると、ネットはいきなり炎上する。

 きっかけは、枝野氏が「被害に遭われた皆さんに心からお祝いを称します」と言ったとする書き込みが、ツイッター上に投稿されたことだった。これが大量にリツイート(拡散)され、さらに複数のまとめサイトに転載されると、いつしかこの「お祝い発言」は、既定の事実として扱われるようになる。で、まとめサイトでは、枝野氏があえて被災者にお祝いを述べた真意を分析する議論が白熱しているわけだ。

 バカな話だ。

 衆院公式サイトで公開されている録画で確認してみると、枝野氏は、「お祝い」とは言っていない。一音一音くっきりと「お・み・ま・い」と言っているのかというと、確かに不明瞭な点はある。が、普通に聞けば誰の耳にも「お見舞い」と聞こえる発音ではある。

 もっとも、誰であれ、特別に発声やアナウンスの訓練を受けていない人間の発音は、録音してあらためて聴いてみれば、多かれ少なかれ曖昧なものだ。その意味では、24日の枝野さんの国会答弁の中にも、滑舌の怪しい部分はいくつか含まれている。

 しかしながら、わざわざ言うまでもないが、国会議員が火山の噴火で被災した人々にわざわざ「お祝い」を述べることは常識としてあり得ない。ついでに言えば「お見合い」や「お位牌」や「おしまい」を申し上げる可能性も皆無だ。