1月から日本テレビ系で放送される予定だった連続ドラマ「ちょうどいいブスのススメ」に関して、先日、制作局である読売テレビが記者会見を開いた。主旨は、ドラマのタイトルを「人生が楽しくなる幸せの法則」に改めるというものだ。理由は、「視聴者の方々に、ドラマの内容を理解していただくため」だという。まったく意味不明の弁解だ。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 彼らは、本来なら「女性の人格を否定する不適切なタイトルだった」と、率直に自分たちの誤りを認め、関係各方面に謝罪をしたうえで、タイトルを変更するべきだった。

 なぜそうしなかったのだろうか。

 おそらく、誤りを認めてしまったらタイトル変更だけでは済まないからだ。

 というのも、批判の主たるポイントであるルッキズム(身体的に魅力的でないと考えられる人々に対する差別的取り扱い)の問題は、タイトルだけに起因する話ではないからだ。

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この記事はシリーズ「小田嶋隆の「pie in the sky」~ 絵に描いた餅べーション」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。