PROFILE
伊藤忠商事前会長。1939年生まれ。食料分野を中心に活躍。98年に社長就任。4000億円規模の不良債権を処理し業績を回復。アジアへの造詣も深く2010年、民間出身では初の駐中国大使に起用された。
(写真=清水 盟貴)

「外交の主軸は日米。
 トランプの時代には沖縄問題がより重要に」

 12月22日、沖縄の米軍北部訓練場の一部が返還される。約7800ヘクタールという広大な敷地の約半分が返還されることに、日米合同委員会で両国政府が正式に合意したのは1999年のことだった。

 だが、これが沖縄問題の大きな焦点となっている。返還は、同地域にある6カ所のヘリパッド(ヘリコプターの離着陸帯)を、訓練場内の別の場所に移すことが条件とされている。国は2007年に6カ所のうち2カ所の移設工事を開始したが、希少な生物の宝庫である沖縄の自然に大きな影響を及ぼすことなどから反対運動が勃発。2014年までに完成した2カ所を除き、工事は中断されていた。だが国は参院選後の今年7月から、残る4カ所についても移設工事に本格的に着手した。

 問題となっているのは、1999年の合意の際には、米軍輸送機「オスプレイ」の配備計画が明らかになっていなかったことだ。公表されたのは、普天間飛行場へのオスプレイ配備計画が明らかになった2011年。反対派は、オスプレイが移設先のヘリパッドにも飛来することに安全上の懸念を強めている。

 さらに、ヘリパッド移設工事は、県の環境影響評価(アセスメント)の対象外とされた。国は独自にアセスメントを実施したが、地元はアセスメントの再実施を求めている。