
(写真=的野 弘路)
「プラザ合意より怖いゆでガエルのリスク。諫言する部下が必要」
「小売業などの内需産業にはプラザ合意のような危機がないからこそ怖いんだ」
私は幹部社員に対してよくこの話をする。かつて日本の製造業の輸出競争力は際立っていたが、1985年のプラザ合意で事態は一変した。貿易不均衡の解決に向けて先進国がドル高の是正で一致したことで、円高が急速に進み、輸出企業は大打撃を受けた。自動車などの製造業は生産性を上げなければ企業としてもやっていけなくなるわけだから、血のにじむような努力をして生き残ってきた。
スーパーマーケットである当社のような業種では、こんな極端なピンチは訪れない。逆にゆっくりと危機が進行して、気がつくと手遅れになる。いわゆる「ゆでガエル」現象だ。熱湯にカエルを入れると飛び跳ねて逃げるが、水に入れて少しずつ熱すると、水温に慣れていき、跳び出せなくなるという例え話だ。
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