PROFILE
富士フイルムホールディングス会長・CEO。1939年旧満州国生まれ。63年東京大学卒業、富士写真フイルム入社。2003年6月代表取締役CEO就任。写真フィルムに依存した事業構造を大転換した。
(写真=的野 弘路)

「目的は社会課題の解決。真の社会ニーズを捉えた製品・サービスを創出する」

 企業の社会的役割とは何か。それは、社会に役立つ商品・サービスを創り、適正な利潤を上げ、その利潤を元手に社会にさらに役立つ未来の商品やサービスを開発するための投資を行いながら、存続し続けることだと思う。

 今日、世界には貧困、戦争、紛争、テロ、地球温暖化、資源の枯渇、食糧問題などといった社会的な課題が山積しており、国や公的機関だけで解決するのは難しいため、民間企業にもその役割が期待されている。

 企業たるもの、己のためのみならず、大義に従い、社会のために尽くす存在でもあるべきだ。社会に対して価値が提供できず、役割が果たせない企業はその寿命を終える。

 企業経営者は、自社が創り出す価値を絶えず追求し続けなければならない。また、そうした価値を提供できる会社を存続させなければならない責任を背負っている。

 私は企業人として、常にこれを念頭に置き、実践してきたと思っている。過去にも述べたが、例えば、当社が写真文化を守り続けていることも、写真が人間(社会)にとってなくてはならない価値の一つであると思うからだ。また、富士フイルムグループは、地球温暖化など国際社会が直面する社会課題を事業活動を通じて解決していくことを経営の目標に据えている。

 かつてCSR(企業の社会的責任)といえば、環境に配慮した製品を作ったり、法令順守を徹底したりということが主流であった。いわば、社会からの要請が先にあり、それに企業側が対応するという受け身のものであった。我々はもっと能動的に社会課題を解決していくことにより、人々の生活の質をさらに向上させ、“持続可能な社会の発展”に貢献していくことを企業の理念としている。