PROFILE
(写真=陶山 勉)
(写真=陶山 勉)
1935年生まれ。慶応義塾大学卒業、キッコーマン入社。米コロンビア大学経営大学院修了。95年社長、2004年会長、2011年から現職。2014年6月、日本生産性本部会長に就任。
(写真=陶山 勉)

「企業のアスリート支援は社会貢献だけではない。
社内の一体感も生む」

 リオデジャネイロ五輪・パラリンピックが大盛況のうちに終わり、4年後の東京大会に向けて盛り上げていかなければならない。キッコーマンも東京五輪・パラリンピックのオフィシャルパートナーとして、貢献していく考えだ。企業によるスポーツ支援としてはこうしたやり方のほか、トップアスリートを社員として採用する方法もある。

 トップクラスの選手は練習や競技に専念するため、就職活動が思うようにならず、学校を卒業すると安心して練習に打ち込める環境に出合えないケースも多かった。そこで日本オリンピック委員会(JOC)が経済同友会などと相談して作ったのがトップアスリートの就職支援制度「アスナビ」だ。この制度の1期生として当社も2011年春に2人を採用した。カヌーの竹下百合子選手と競泳の上田春佳選手である。

 当初は選手の悩みを解消し、競技に専念できる環境を提供しようという、いわば社会貢献のつもりで同制度に賛同したのだが、いざ採用してみると2人を応援しようという社内の一体感を醸成するのに大いに役立った。特に、上田選手はロンドン五輪で銅メダルを獲得(400mメドレーリレー)したものだから、会社全体が熱狂に包まれた。こんなに盛り上がるとは思ってもいなかった。竹下選手の応援にも社員が遠方まで出かけたりしている。選手も自分の仲間が来てくれたという思いで励みになっているようだ。