PROFILE
日本電産会長兼社長。1944年京都府生まれ。職業訓練大学校を卒業。73年に日本電産を創業した。ハードディスク向けから家電・商業・産業用、車載モーターまで事業を広げ、世界有数のモーターメーカーに育てた。
(写真=小倉 正嗣)

「経営者の健康は経営の重要な要素。
隠さずに、良さをアピールすべきだ」

 健康経営という言葉が普通のものになってきた。社員の健康を重視し、その維持向上を図ることが、結局は企業の生産性や効率を高めるというわけで、経営の重要事項になっている。

 それに比べると経営者の健康についてはあまり語られない。健康自体が機密事項だし、個人情報でもあるせいか、触れられないものになっている。しかし、それは逆に弊害になっていないか。経営者はもっと、自分は健康を重視し、経営力を高めていることを言うべきだと思う。

 秘密にしすぎるから、ちょっと顔色が悪いといったくらいで、社員や取引先に不安がられ、勘ぐられる。タブーにしすぎるから、年を取って歩くのもままならなくなった人に「もうそろそろ」と言いにくくなる。経営者は本来、会社を良くし、成長させるために全力を尽くすべき存在なのだから健康に留意するのは当然である。

 私は酒を飲むのも45歳でやめた。それまではビール党で、結構飲んでいたが、その頃、酒を飲むと夜中に起きてトイレに行くようになったのだ。「これはいけない」と思った。そんなことでは寝不足になり、昼間、集中力を欠く。それできっぱりとやめた。