PROFILE

富士フイルムホールディングス会長・CEO。1939年旧満州国生まれ。63年東京大学卒業、富士写真フイルム入社。2003年6月代表取締役CEO就任。写真フィルムに依存した事業構造を大転換した。

(写真=的野 弘路)

「経営者には『長期存続経営』の視点が大切である」

 昨今、企業の経営効率を判断する指標として最も重視されているのがROE(Return On Equity、自己資本利益率)だろう。純利益を分子とし、株主資本を分母として計算されるこの指標は、株主資本をいかに効率的に使い、利益を上げたかを評価する指標として有効である。利益率を上げてROEを高めることを目指すのは当然だ。

 しかし、この値を高めようとして分母である株主資本圧縮のために、過度な配当や自己株取得を進めれば経営の安定性を欠くことにつながる。また、すぐにリターン(利益)を生まないという理由で必要な先行投資を置き去りにすれば、長期的な企業の価値を低下させる。