PROFILE

1947年京都市生まれ。伊藤忠商事、ジョンソン・エンド・ジョンソン社長、最高顧問を経て2009年6月からカルビー会長兼CEO。2018年6月24日にRIZAPグループCOO(最高執行責任者)就任予定。

(写真=清水 真帆呂)

「株主を、優先順位の最後に。それが真の株主重視経営を生む」

 3月期決算企業の株主総会シーズンが来た。2018年3月期の上場企業は2期連続で最高益を更新しそうだが、今期は円安一服に原油など資源高で微減益になりそうだという。

 となれば株主は今期も増益にすべしと企業への要求を強めるかもしれない。これに対して経営者は精いっぱい応えるべく、かしこまるのだろう。しかし、単純な株主至上主義でいいのだろうか。それはかえって株主のためにならないのではないか。

 私は企業が第1に重視すべきは「顧客・取引先」、第2は「従業員」で、第3は「コミュニティー」、株主は4番目だと考えてきた。タネを明かすとこれは、カルビー会長に就任する前、1993年から約15年間、その日本法人に在籍した米ジョンソン・エンド・ジョンソンの経営理念、クレドにあるものだ。

 無論、株主を軽視したものではない。株式会社である以上、株主が重要であることは言うまでもない。彼らが要求するのは、企業価値の最大化である。そのためになにより大事なのは、顧客に高い品質の商品やサービスを提供し、取引先は適正な利益を確保できるようにすることだ。

 それを実現するには、社員が楽しく働いて力を発揮できる体制を整える必要がある。そして環境や資源を大事にすることで地域社会への責務を果たし、信頼される存在になることも重要だ。

 この流れが強さを生むことはいうまでもない。こう考えれば、株主を最後に置くことこそ株主のためになる。クレドはそう言っていると信じている。