
「利益は目的でなく手段。自社しかできない活動で継続的に社会貢献」
最近、ESG(環境・社会・ガバナンス)やサステナビリティーという言葉をよく耳にする。株価や時価総額といった成長性や財務の健全性だけではなく、様々な角度から企業を評価しようというものだ。グローバリゼーションやダイバーシティーが進み、価値観が多様化する中で、企業についても多様な観点から評価するというのは当然の流れだろう。ただ、こうした概念は別に目新しいものではなく、もともと企業経営の根幹を成すものだ。
そうした考えを持ったのは、30代前半に淀川製作所(大阪府摂津市)で総務課長を務めた経験がきっかけである。フッ素化学事業の拠点である淀川製作所では、「野菜の立ち枯れや変色はダイキンのガスが外部に漏れることが原因だ」と主張する地域の農家との間でトラブルを抱えていた。交渉役として彼らの言い分を聞いてみると、納得できる点も少なくない。作物が被害を受ければ死活問題となりかねない農家の人と補償交渉をしているうちに「企業とは何のためにあるのか」と自問するようになった。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1006文字 / 全文文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「賢人の警鐘」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?