PROFILE
1947年生まれ。慶応義塾大学卒業後、大和証券に入社。企業の上場や増資を多く担い、2004年社長、11年会長、17年4月から現職。女性活用など、働き方改革でも先鞭をつけた。
(写真=大槻 純一)

「老後のバラ色の人生は自分で作る時代。
 証券業界の責務は大きい」

 「銀行さようなら、証券こんにちは」。35年ほど前に、こんな言葉が流行した。1996年には橋本龍太郎内閣の下で「貯蓄から投資へ」というスローガンが生まれた。

 長期的な投資を通じて資産形成を推し進めることの重要性について否定する人はいないだろう。だが、日本では貯蓄から投資へシフトする流れが、大きなうねりになっているとまではいえない状況が続いてきた。

 今、日本の個人金融資産は1800兆円に上る。だが、その内訳を見れば5割以上が現預金で株式と投資信託を合わせて2割に到達しない。米国では7000兆円の個人金融資産のうち4~5割を株式と投資信託に振り向けていることを思えば、彼我の差は大きい。

 今後、多くの日本人はいや応なく投資を意識せざるを得なくなるはずだ。政府の社会保障財源は厳しい状況で、満ち足りた老後を年金だけで生活することは無理というのが現実だ。リタイア後にバラ色の生活を望むのであれば、バラの部分は自分で作ることが必要な時代なのだ。

 政府はこれまで確定拠出年金や「NISA(少額投資非課税制度)」といった制度を段階的に拡充し、投資を促してきた。