PROFILE
伊藤忠商事前会長。1939年生まれ。食料分野を中心に活躍。98年に社長就任。4000億円規模の不良債権を処理し業績を回復。アジアへの造詣も深く2010年、民間出身では初の駐中国大使に起用された。

(写真=清水 盟貴)

「森友学園問題の解明には 第三者調査委の設立急務。
国民には知る権利がある」

 日本は、国民が真実を知ることができる国なのか。学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書改ざん問題は、この極めて重要な問いを我々に投げかけている。

 国の資産を国民に断りなく、官僚が、政治家の誰かに特別な配慮をして、破格の条件で売却したのではないか──。国民の関心はそこに注がれており、安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与なども疑われている。

 安倍首相は昨年、「私や妻が関与していたら、総理大臣も国会議員も辞める」と全面的に否定をしている。この発言が、官僚が安倍政権を忖度するきっかけになったのではないかという見方もある。森友学園への国有地売却を担当していた近畿財務局の職員が自殺したことも影響し、誰が改ざんを指示し、誰が実行したのかといった犯人探しに、野党もメディアも躍起になっている。だが、これは「悪者は誰か」をあぶり出したら決着、という類いの問題ではない。